“ちゃんと育てなきゃ”で、苦しくなっていませんか?
子育てについて調べていると、たくさんの「大切なこと」に出会います。
「自己肯定感が大切」
「主体性を育てましょう」
「これからの時代に必要な力」
「幼少期の関わりが重要」
どれも、子供の育ちを考えるうえで大切な視点です。
けれど、情報が増えれば増えるほど、
「もっと頑張らなきゃ」
「ちゃんと育てなきゃ」
「このままで大丈夫なのかな」
と、気づかないうちに心が疲れてしまうこともあるのではないでしょうか。
子供に必要なのは、完璧な教育の前に「安心感」
保育の現場にいると、大人が安心している時の子供と、大人が不安や焦りを抱えている時の子供では、場の空気が変わることがあります。
もちろん、保護者の方が悪いという話ではありません。
今は、真面目な人ほど、子供のことを大切に思う人ほど、苦しくなりやすい時代です。
でも、大人が少しホッとすると、子供も不思議と落ち着きを取り戻していく。
そんな場面を、これまで何度も見てきました。
子供にとって本当に大切なのは、完璧な教育より先に、 「ここにいて大丈夫」と感じられる安心感なのかもしれません。
安心できる場所があるから、子供は外の世界へ向かえる
発達心理学の領域で重視されてきた「アタッチメント(愛着)理論」では、安心して戻ってこられる場所があることで、子供は外の世界へ向かっていけると考えられています。
安心できるから、遊べる。
安心できるから、試せる。
安心できるから、失敗してもまた立ち上がれる。
学びの始まりは、机に向かうことだけではありません。
「やってみたい」
「知りたい」
「もう一回やってみよう」
そんな気持ちは、安心できる関係や環境の中で、少しずつ育っていくものなのだと思います。
「力を伸ばす」だけでは、少し苦しくなることもある
最近は、子供の心の育ちについて、さまざまな言葉で語られるようになりました。
そうした視点自体は、とても大切です。
ただ、本来は人とのつながりや安心感の中で自然に育っていくものまで、「伸ばすべき力」として語られすぎると、子育てそのものが少し苦しくなってしまうこともあるように感じます。
子供は、育て込まれる存在というより、安心できる場所の中で、自分から育っていく力を持った存在なのではないでしょうか。
昔の日本にあった、子供を包む空気
昔の日本には、季節の行事や、地域のつながり、自然の中で遊ぶ時間など、みんなで子供を育てる空気が今より身近にありました。
もちろん、昔がすべて良かったわけではありません。
けれど、子供が安心して育つための土台は、暮らしの中に静かに息づいていたように思います。
今は便利になった一方で、子育てが孤独になりやすい時代でもあります。
だからこそ、誰かと比べたり、完璧を目指したりするより、まずは「今日、子供と笑えた」そんな小さな時間を大切にしてもいいのかもしれません。
さゐさゐ學園では、正しさを押しつける教育ではなく、子供も大人も少しホッとできるような学びの場を、これから少しずつ育てていきたいと思っています。
学校に行くことだけが学びではなく、点数や評価だけが子供の価値でもありません。
安心できる場所があり、受け止めてくれる人がいて、自分のペースで外の世界へ向かっていけること。
そんな土台の上に、本当の学びは少しずつ芽を出していくのだと思います。
焦らなくても大丈夫。
子供は、安心できる場所の中で、ちゃんと育っていく力を持っているのだと思います。